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講習会に行ってきました

大阪府歯科医師会館で開催された講習会に行ってきました。

講習会を企画してくださった、生野区・東成区・城東区の各歯科医師会担当者にこの場を借りてお礼申し上げます。

 

講師に大阪大学の同窓生で、現在大阪警察病院口腔外科部長の田中 晋先生をお招きし、「こんなときどう診断したらよいか?~病院歯科口腔外科診療の実際と病診連携構築のために当院が取り組んでいること~」という演題で勉強してきました。

 

講演内容は以下の3つに分かれておりました。

1.粘膜疾患の診断

2.口腔外科での治療の実際

3.周術期患者の口腔ケアにおける病院と診療所の連携

 

「粘膜疾患の診断」では一般診療所で比較的よく遭遇するヘルペス・白板症・エプーリス・カンジダなどの診断法を、「口腔外科での治療の実際」では埋伏智歯(親知らず)の抜歯(下歯槽管近接症例)や、口腔内領域の癌治療、BP製剤投与患者(いずれこのブログでご説明するつもりです)、糖尿病や抗血栓薬(バファリン、ワーファリンなど「血をさらさらにして流れをよくする薬等と説明されていることが多いようです」)を投与されている患者への対応を、周術期(癌や心臓病等の大きな手術が必要とされる方の術前・術後の期間)患者への感染予防を目的とする口腔管理における病院と診療所の連携の必要性といったことを勉強してきました。

 

口腔粘膜疾患は治療の必要のないものから悪性腫瘍までさまざまですが、専門医でも組織検査なくしては確定診断が困難なほど、鑑別が難しいものです。

講習会で、多数の症例写真とその解説を受けましたが、改めてその難しさを実感した次第です。

ただ、当院に来院された方に不必要な不安を与えず、適切な情報の提供と対応ができるようにこれからも研鑽してまいりたいと思います。

 

口腔外科での治療の実際では総合病院の口腔外科で対応すべき重篤な例を中心に症例の紹介がありましたが、高齢化に伴い、一般歯科診療所でもBP製剤投与患者・糖尿病・高血圧・狭心症・心筋梗塞・脳梗塞などの持病をもった方が日常的に来院されます。

総合病院歯科へ通院することは患者さんにとって時間的にも通院距離においても負担になりますし、通常、補綴(歯にかぶせをしたり入歯を作ったりすること)はやってくれませんので、かかりつけ歯科医と両方通わなくてはならなくなるのは辛いですねよね。

私たち開業医はかかりつけ歯科医として患者さんの利便性も考慮し、このような患者さんに対してどこまで対応できるかを医科からの検査結果などを参考にして見極めなければなりません。今回の講習会でもこの辺のところを重点的に勉強して来ました。

 

3つ目の周術期については、現在、術前・術後の感染症対策として口腔ケアの重要性が医科においても重視されるようになってきたところです。しかしながら、同じ「医師」と呼ばれていても医師と歯科医師の連携はほとんどなかったのが実情です。

この状況を打開するため医科歯科連携に保険適用項目が新設されるなどの取り組みが始まっています。総合病院歯科はその仲立ちができる立場にありますので、これからこの分野にも力を入れていきたいとのことでした。もちろん私たち開業歯科医師も積極的に関わっていくべき分野であると思うので、これからのより一層の連携に力を入れていきたいと思います。

 

今回はちょっと難しい内容でしたでしょうか?

これからも硬軟取り混ぜでブログ更新していくつもりですので、よろしくお願いします。