風邪などの病気は治れば元通りの体に戻りますが、虫歯を治療しても虫歯になる前の歯に戻ることは一生ありません。
一度詰め物をした歯にまた虫歯ができ、かぶせをしたけどまた虫歯になって、根っこがだめになったら抜歯......
悪くなったら歯医者に行こうでは遅いのです。
歯の平均寿命は一番短いのが下の一番奥の歯で45年、一番長いのは下の犬歯で63年、50代後半で2人に1人が部分入れ歯となり75歳以上で60%弱が総入れ歯となります。
スウェーデンの人口12万人のカールスタットという小都市の統計では、予防歯科受診率は19歳まで100%、20~59歳が90%、60歳以上でも80%ときわめて高い比率です。
アメリカではどうかというと、年間所得が日本円にして約400万円以上の層でほぼ80%、200万円以下の層でも50%の人が予防歯科を受診しています。
では、日本ではどうでしょうか。実は日本国内の受診率については、はっきりしたデータはありませんが、厚生労働省の平成11年保健施設動向調査の「受療の状況」から割り出される受診率はわずか2%です。
その結果
「一度治した歯がまた悪くなり、再治療を繰り返して次第に歯が減っていく」
これが日本の状況です。
虫歯の予防を一言で言うと「歯のクリーニング」です。
この三つが予防歯科の柱で歯を削ったりするわけではありません。だから「予防歯科」
◆治療した歯が長持ちして、なるべく被せかえや詰め替えをしなくてすむように、良い治療を受けましょう。
◆そして毎日のお手入れも十分に気をつけて、ていねいにブラッシングしましょう。
◆さらに定期的に検診を受けて早期発見、早期治療を心掛けましょう。
そしてなによりも一番大切なのは、自分の歯が虫歯や歯周病にならないように予防することです。当院では、患者さんご自身によるケアを最も重視し、一年に数回のサポートによりむし歯や歯周病の発生と再発のリスクを最小限に抑制することをおすすめしています。
虫歯や知覚過敏,歯周病に関する歯茎の診査を行います。
虫歯や歯周病の原因となる歯の汚れ(プラーク)が歯のどの部分にどのように付着しているのかを赤い染め出し液で調べます。
診査結果に基づき、虫歯の有無や歯茎の状態などについて説明します。
主に歯磨きに関しての指導を行います。フッ素入り歯磨剤の使用や手用歯ブラシによる磨き残し部分の清掃方法、特に歯と歯の間の清掃についてはデンタルフロスや歯間ブラシなど専用の器具を用いた清掃方法を指導します。
専門の器具を用いて、普段の歯磨きでは落としにくい部分の歯石をとり、歯の汚れ(プラーク)をきれいに取り除きます。
PMTC(Professional Mechanical Tooth Cleaning)は専用の器械・器具を使って専門家が行う歯磨きのことです。
普通の歯磨きでは落としにくい歯と歯の間や歯の歯肉の間のプラークを放置すると、プラークはバイオフィルムを形成し強固に歯にこびりつきます。こうなるともう歯ブラシで落とすのは無理です。
PMTCでは、歯科衛生士によるプロのクリーニングでバイオフィルムを破壊しプラークを落とします。また歯の表面をツルツルに仕上げることでプラークがつきにくい歯の表面にします。